有害サイト規制法案:閲覧を「18歳以上会員」
有害サイト規制法案:閲覧を「18歳以上会員」
有害サイト:閲覧を「18歳以上会員」に規制…自民法案
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080306k0000m010162000c.html
このままでは野党どころか与党のスポンサーである経団連も反対しそうな稚拙な内容であるが、頭の悪い国会議員はかなり多いから間違って通ってしまうおそれもあるので警鐘を鳴らしたい。
稚拙さの第一は有害情報の定義が曖昧かつ主観的なところだ。
規制をするときはその対象が明確でなければならない。
まして罰則を付すときは罪刑法定主義という法治国家の原則から正常な知能を有する人なら実行前に行為の合法性・違法性が判別できるよう法律に明記されなければならない。官僚の通達などで恣意的に決めることは許されない。
法案は「有害情報」について
(1)性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼす
(2)残虐性を著しく助長する
(3)犯罪を著しく誘発する
(4)薬物乱用など健康を害す行為を著しく誘発する
(5)特定の青少年へのいじめに関する情報で著しく心理的外傷を与える恐れがある
(6)家出した青少年に非行などを著しく誘発する--と定義した
これでは定義とは言えない。
まず(1)についていえば、そもそも性に関する価値観に「良い」「悪い」とか「正常」「異常」というものが定義できない。
性に関する価値観はそれだけを単独で切り出せるものでなく、家族観や社会のあり方と一体のものだ。
日本の国会は夫婦別姓法案すらまともに議論できずに放置している。
GIDに関する戸籍制度の改正は近年ようやく成立したが、先進国の中では突出して遅かった。
先進国どうしでも例えば妊娠中絶や生殖医療に関してカソリックの強い国では極端に厳しく規制されている一方で、北欧のように緩やかな国もあるなど、そもそも価値観の善し悪しに国家が立ち入る事自体に無理がある。
また義務教育は15歳で終わってしまい大人に性教育を施す仕組みが無いから、性に関する情報をむやみに遮断すると全く性知識のない大人が多くなり、ますます少子化が助長される危険性もある。
よりによってこの案をまとめた委員会の長が少子化対策担当大臣というのはブラックユーモアか?。
(2)についていえば、極論すれば歴史教科書から戦国時代に関する記述や江戸時代の刑罰に関する記述を一切無くさなければ意味がない。昔は野蛮だったと言ってみたところで、イスラム国家に行けば現在も徳川幕府並みの刑罰が実施されているから嘘になる。
(3)も犯罪が出てくる小説などすべて模倣されうるから発禁にしろと言うのに近い。
(4)は医薬品の成分や副作用といった当然公開すべき情報へのアクセスをも阻害する危険性がある。
(5)は学校裏サイトなどを意識した条項だろうが、学校裏サイトで一番の問題は実名、顔写真や住所が晒されることであるから現行の個人情報保護法をきちんと運用することが先決である。
(6)はそもそも家出の原因の方に対策を施さなければ解決にならない。
結局、社会そのものの犯罪率が低くできずに青少年だけ健全化しようという発想に無理がある。
悪意や残虐性を多く抱えた人物がみな犯罪者になるわけではない。
無法行為が出来る条件とは失うものがないときか、逆に独裁者などのように過大な権力を持ったときである。
財産が全くない住所不定者がやたらに多くなるような経済構造が放置されれば、当然無法行為をなす条件が整った人物が増える。
犯罪率を下げるには格差を助長する労働搾取を規制するしかない。
情報の遮断によって犯罪率が低下することなどあり得ない。
だいたい、プロバイダに義務を課し従わなければ罰するなどといったところで海外サイトに日本の法は及ばないから、中国のようにインターネット接続全体を国家統制しなければこの案自体が全く目的を達し得ず、ただ国内のインターネット事業者を衰退させる効果しかない。
まさか、国内事業者を衰退させろと言うアメリカの圧力を受けて与党が動いているのではないだろうな?。
[ written by pinksaturn ]
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