豚インフルエンザの危険性
豚インフルエンザの危険性
豚インフルエンザの感染が米各地に広がってきた。カンザス州とカリフォルニア州で新たに感染者が計3人確認され、ニューヨーク市では感染の疑いがある生徒が8人いることが25日わかった。ニューヨークの症例も感染が確認されれば、全米の感染者は4州、計19人になる。
http://www.asahi.com/national/update/0426/TKY200904260034.html
問題になっている豚インフルエンザは、今のところ鳥インフルエンザほどの強毒性はないとされパニックになる心配はまだ無い。
ただウィルスは進化が速いから怖い。
いま強毒性でないからといって、明日もそうだという保証は全くない。
もう一つ怖いのが、鳥インフルエンザに比べて人に感染しやすくしかも豚から人へだけでなく人から人への感染も起きていることだ。
豚は体質が人間に近い生物だ。
何しろ遺伝子組み換えによって人間への臓器提供が可能になるかも知れないといわれているくらいである。
現在でも化粧品の安全性評価などは豚を使ってやっているという。
それほど近ければ病原体にとっても似た獲物ということになるのは当然だ。
したがって発生や感染を完全に回避することは不可能だろう。
できることは発生したら蔓延を防ぐことだけだ。
ところがその防疫体制が心許ない。
政府は検疫体制を強化すると発表したが、これが毎度おなじみの大本営発表であり実効性が期待できない。
豚インフルエンザの検疫は旅行者と輸入される豚の両方を抑えなければならないから元々厄介だ。
まず旅行者に関していえば検疫官に比べて旅行者の数が多すぎる。
当然1人ずつ強制的に検査するようなことはなく、「風邪をひいていませんか」と聞くだけだ。
業務出張者などで重要な用事がある旅行者なら正直に申告することは到底期待できないから殆どフリーパスだ。
またインフルエンザの類は法定伝染病でもないから明らかに症状が出ている者が見つかっても強制隔離はできない。
こんな心許ない状態で旅行者が増えるゴールデンウィークを控えているのだから国内侵入はまず回避できないと思うべきだろう。
旅行者全部に検査を強制するには人手や資材が必要でお金がかかる。
その費用は空港使用料の引き上げか入国税の新設などによって賄うしかない。
不景気に苦しむ航空会社や旅行会社からは文句が出るだろうが、関係企業の損失と疫病が蔓延した場合に社会が被る莫大な被害を秤にかけたら負担増が当然の結論ではないか。
よしんば航空会社のリストラにつながったとしても、そもそも関東上空をはじめ日本の空は過密で管制の安全性にも問題をきたしているのだからむしろ航空路線の整理縮小は国民全体の利益になる。
次に豚の方だが、こちらは検疫で引っかかったら容赦なく上陸禁止とできる強制力があるから制度的には旅行者よりましだ。
だがBSE対策の牛肉危険部位混入チェックすらごく一部のサンプルしか見ていないのだから、豚の検査も同様になる。
根本的に検査官が少なすぎるのだ。
したがって旅行者、輸入豚ともいずれウィルスに侵入ルートになる。
国内に感染が広がれば国産豚の検査を強化しなければならない。
こちらは屠殺の段階で全数検査であるから、一応制度上は検疫よりも安全が保たれている。
心配なのは検査官のなり手が少なく新卒採用において欠員を生じていることによる人手不足だ。
屠殺場の検査官は都道府県が雇用する公務員獣医である。
不景気による公務員人気にもかかわらず獣医に関しては欠員が生じているのだ。
原因は明らかで、獣医の養成数がほぼ一定なのにペットの増加によって犬猫病院で働く獣医が増えているからだ。
獣医になるような人はやはり動物好きが多いのだろうから、放っておけば殺すための仕事よりは治療する仕事を選びたがる。
したがってペットの数を抑制する政策をとらなければいずれ屠殺場の検査態勢が破綻してしまう。
この問題を解決するにはペット税を導入してペットの保有コストを高くし、その税収を検査官の処遇改善に回すしかない。
そもそも飼いきれなくなって保健所で処分されるペットの多さが問題になっている。
安易なペット飼育の抑制は野良犬や野良猫の増加防止にもなる。
今回は豚の病気だが、いつ犬や猫を媒介とする危険な疫病が発生するかだって誰にも予想できないのだ。
課税によって真剣に飼う意志が弱い飼い主や十分な経済力がない飼い主にペット飼育を止めさせることで数を抑制すべきだ。
[ written by pinksaturn ]
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