これだから家族介護は無理なんだ
これだから家族介護は無理なんだ
介助が必要な祖母(92)を入浴させた際に放置し死なせたとして、警視庁は、東京都杉並区南荻窪1丁目、無職飯島貴幸容疑者(23)を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕したと8日発表した。飯島容疑者は「手を貸さないと風呂から出られないのは知っていた」と供述し、容疑を認めているという。
http://www.asahi.com/national/update/0308/TKY200903080028.html
いかなる状況で何故祖母を浴槽に放置したのかまでは伝えられていないから、これが犯罪と言えるのか定かではない。
例えば電話が鳴ったり来客があって応対した後で至急書かねばならない書類が発生しそのための調べ物をしていたら溜まった疲労のため居眠りしてしまい、祖母を浴槽に忘れたのに気づいて慌てて見に行ったが手遅れ、などという可能性もあり得る。
それならば少なくとも弱い故意性を伴う保護責任者遺棄ではなく、過失致死に留まる。
過失致死は業務上ないし重過失でなければ実刑にならないから通常なら逮捕せず書類送検だ。
逮捕に至ったのは孫の弁解がはっきりせず、故意の虐待を疑われた可能性もある。
23歳無職という肩書きから想像するにあまり賢い人物ではないだろうから、たいした落ち度もないのに弁解が要領を得ずに過重な疑いをかけられた可能性もあるだろう。
そもそもこのような事故について責任を追及するなら、目先の事故そのものよりも、入浴介助をプロに依頼せず家族で行うというかなり危険な判断を誰が何故したかを追及しなければ再発防止につながらず殆ど無意味だろう。
入浴介助は訪問介護業者においても上級のヘルパーしかできない作業と決められている。
それだけ事故のリスクが大きく素人が手を出すべき領域ではないとされているからだ。
まず第一の疑問はこの一家が祖母の介護保険適用を申請したのだろうかということだ。
申請すらしていないとすれば、それ自体が過失と言える。
おそらくそんな判断は年齢的にみて孫より娘が主導しただろうから、要介護申請すらしていないのなら孫より娘の責任が重い。
次に申請はしていたと仮定して区役所はいかなる認定をしていたのか。
もしも入浴介助が受けられない介護等級しか認定せず、その結果事故をまねいたのなら認定責任者を業務上過失致死容疑で捜査しなければおかしい。
第三には入浴介助が可能な介護等級が認定されていたと仮定して訪問介護業者が手一杯のためサービス提供を断られたのではないかという点も疑うべきだ。
介護保険のサービス単価が低いためヘルパーのなり手が少なく、専門学校を出た上級資格者の過半数が他業に就いていることは周知の事実である。
特に生活費の高い都市部では専業ヘルパーの生計が成り立たず著しく不足しているからそんな可能性も大いにあり得る。
そんな量的問題が事故につながったとすれば、制度設計の瑕疵だから厚生労働省の官僚や歴代厚生労働大臣を業務上過失致死で捜査すべきだろう。
最後の疑問は、訪問介護業者がサービス提供を引き受ける意向であったにもかかわらず祖母が「他人に裸を・・・」などと拒否していたのではないかという点だ。
古い教育を受けた老女ならこれもよくありがちなことだ。
この場合事故原因となった過失は祖母本人にある。
それなら相当に痴呆があって正常な判断ができないことが素人目にも明らかでない限り保護責任は存在せず、そもそも刑事介入自体が不適切だ。
このような事故において警察は十分に背景を捜査すべきだ。
目先の個人責任だけでなく、行政の怠慢が介在していないかも明らかにしなければまた同様の事故は起きる。
[ written by pinksaturn ]
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